元テレ東・大橋未歩さん(46)「私、“結婚”が好きなんです」
テレビ東京勤務を経て、フリーアナとして活躍し、2023年末からは夫婦で米国に移住した大橋未歩さん。今年、結婚10年目を迎える大橋さんは「私は結婚が好きなんです」と…。大橋さんの夫婦関係や今の思いを伺いました。
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「結婚すれば幸せ」とは限らないと知っているけれど…
──プライベートでは2015 年に再婚。10歳年下でテレビ東京の後輩(当時)との結婚は、大きな話題になりました。大橋さんにとって、パートナーはどんな方ですか?
夫(映像プロデューサー兼作家の上出遼平氏)のことは、面白い後輩だと思っていました。彼の発想や言葉がユニークで気になって。彼の作る作品は独創的なので、風来坊に見えるかもしれません。でも、近くで見ているととても真面目で責任感が強く、物事をやり抜こうとする気概にあふれていることがわかります。幸せとは何かを問い続けるアーティストであり、人をワクワクさせたい願うエンターテイナーであり、一方で、世に出す以上は関わった人にちゃんと利益が循環するように商業的にも成功させようと知恵を絞る人。私自身が彼の作品の大ファンなので応援したいと思っていますし、私がやりたいと言ったことも「やったらええがな」と、背中を押してくれます。
夫と。夫婦で服を貸し借りしています
──VERYは既婚の読者が多いですが、大橋さんにとって、「結婚」とはどんなものでしょうか?
私自身は「結婚」が好きなんです。家族が好きだから、結婚すると相手の家族も含めて好きな人が増えていくのが楽しい。家族って血の繋がりだけじゃないですから。一方で、結婚ってギャンブルのようなものだとも考えています。いくら相手のことを見極めたと思っても結婚した後に変わってしまう人もいないとは限りませんし、こういう人と結婚すれば幸せになれるという確約もありません。ある程度時間もお金も縛られるものだし、離れる時も恋人同士と違って手続きがいる。だから、とことん向き合わざるを得ない。相手に対してちょっと嫌だなと思うとき、実は合わせ鏡で、そこに自分の未熟な点が映し出されているような気もします。もちろん夫婦間の衝突は体力も気力も消耗しますが、やっぱり人間としてのお勉強ができるいい機会なんじゃないかと。まあ、たまたま10年目に突入しましたが、やっぱり結婚はしてみないとわからないですね。夫が今のような仕事をすることになるとは当初想像もしていませんでしたし。
「なんでADと結婚するの?」局アナ時代には驚かれました。失礼ですよね
──大橋さんは再婚です。また結婚したいと思ったきっかけはなんでしょうか?
結婚を発表した当時、夫はアシスタントディレクターだったので、「なんでアナウンサーなのにADさんと結婚するの?」と声をかけてくる人も少なくありませんでした。週刊誌にも書かれましたし。ADさんにも夫にも失礼な話ですよね。当時は今以上に、「女性アナウンサーは社会的ステータスや年収の高い人と結婚する」といったイメージが強かったみたいで。私自身は、結婚の条件にこだわりはなく、純粋に家族が欲しいという気持ちが強かったです。親戚とも仲がよかった私は、損得勘定で結びついていない、ただ思い出をたくさん共有している、「家族」という関係性がとても好きなのです。子どもも好きで、幼少期から母親になるのは夢でした。ただ、人生は予想通りにはいかないもので、離婚、再婚を経て今は夫とニューヨークで二人暮しをしています。10代、20代のころには想像もつかない生活ですが、夫とは「いい家族」になれたなと思うんです。
──結婚後10年経って、関係性はどのように変化しましたか?
親友と暮らしているみたいな感覚ですね。ロマンチックな恋人関係はもはや皆無ですが、どんな話でもできます。仕事の相談にもとても親身になってくれますね。私が自分のエッセイの原稿に悩んで感想を求めると、時間をとってかなり読み込んでくれる。いつもはお互いふざけ合っているのに、こういうときは真剣に行動で示してくれるところもありがたいです。
食事中に。服に付けたピンバッチはアーティストの友人作です
──夫婦関係を維持するために気をつけていることはありますか?
「親しき中にも礼儀あり」は意識しています。些細なことでも、「ありがとう」は必ず伝えますし、夫婦といえどもお互いの領域に踏み込み過ぎないことも大事かなと。10年も一緒にいるとそれなりに馴れ合いになってきますが、お互いの普段の行動や人間関係をすべて把握しようとは思ってはいません。なんでも話せると言いつつ、今触れてほしくなさそうなことがあれば触れず、違う視点がほしいのかそうではないのかも、状況によって判断しています。こんな話をすると私ばかり気を遣っているように聞こえるかもしれませんが、彼に聞いたら「こっちのほうが神経すり減らしてる」と言われそう(笑)。
「ものが少なくても生きていける」と気づけた夫婦共通の趣味
──退職や移住などの大きな節目を経て、大きな荷物を下ろしたような大橋さんの生き方は軽やかに感じます。「余計な物事を手放すヒント」のようなものがあれば教えてください。
夫と出会って、ロングトレイルという長い距離を歩くハイキングが好きになりました。バックパック一つに衣食住のすべてを背負って10日間ほど過ごすと、「必要なものはこれだけでいい」ということが可視化されるのです。食べ物は必要な量だけあればいいし、下着も2枚あれば十分。荷物が少ないほどフットワークが軽くなります。体験を通してそれを実感したことで、ものが少なくても生きていけると自分に自信がつきました。不測の事態が起きるかもしれない世の中、自分の収入が今後も安定しているかどうかなんて誰にもわからないと思います。でも「自分には最低限これだけあればいい」と把握できていれば、心がラクになるような気がしています。
ブルックリン橋の見える、ニューヨークのお気に入りの場所
PROFILE
大橋未歩さん(おおはし・みほ)
1978年兵庫県生まれ。2002年にテレビ東京に入社し、アナウンサーとして、スポーツ、バラエティ、情報番組など幅広い分野で活躍。その後、2013年1月に脳梗塞を発症。休職期間を経て同年9月に復帰する。2017年のテレビ東京退社後はフリーアナウンサーに。2023年からはアメリカ・ニューヨークに住まいを移し、現在は日米を行き来しながら活動中。インスタグラムは@o_solemiho815
取材・文/樋口可奈子
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