朝ドラ俳優・中越典子さん、45歳になってわかった「50代が一番楽しい」の意味
40代も後半にさしかかり、50代の扉も見え始めた俳優・中越典子さん。「10代や20代の頃は、40代や50代って途方もなく大人なイメージ」だったと語ります。ですが実際に自身がアラフィフとなった時、今の時代の同世代や先輩達の若々しさに、以前から抱いていた40、50代イメージは完全に覆ったそうです。今回の美ST ONLINEでは、10代からモデルとして芸能活動を始めた頃のご自身を振り返っていただきながら、50代になるのが楽しみになったある先輩女優の言葉、今後の展望についてまで、たっぷりと語っていただきました!
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《Profile》
1979年12月31日生まれ。佐賀県出身。1999年、オーディション情報誌『De☆View』主催の募集情報を通じて、キューブ所属となる。同年、『天国のKiss』(テレビ朝日)で女優デビュー。2003年、NHKの連続テレビ小説『こころ』のオーディションに5回目の挑戦で合格。ヒロイン・末永こころ役で主演を務めブレイク。以降、ドラマ、映画、舞台で活躍。2014年1月には俳優の永井大さんと結婚。現在は2児のママに。2016年、佐賀市プロモーション大使に就任。4月より、ドラマ「特捜9 final season」の放送がスタート。
高橋惠子さんから「50代が一番楽しいのよ!」と言われた意味が、今ようやくわかってきて
今の40、50代って本当に若々しくて、何より綺麗ですよね。職業柄見られる意識が強い芸能界の方々だけではなくて、私の地元の友達だってそう。エネルギッシュで、ちっともくたびれてない。まだ私が30代の頃だったと思いますが、共演させていただいた女優の高橋惠子さんから「50代が一番楽しいのよ!」と言われたことがあるんです。当時はピンときませんでしたが、40代半ばになり、ようやく今それが何となくイメージできるようになりました。高橋さんもそうですが、女性として憧れる先輩がたくさんいることは本当に刺激になるし、幸運なこと。たとえば、賀来千香子さんは60代になられてさらに色っぽくて、現場だとみんな目がハートになっているんです。賀来さんのようにはなれなくても、楽しい50代を生きるためには40代をどう過ごすかにかかっている気がします。あと残り半分ですが、体力がある限りは子供達とやりたいことをやって、精一杯好きなことをし、新しいことにチャレンジしていきたいですね。
自分軸ではなく子供軸になったことで、私自身がすごく楽になったんです
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徐々に俳優としてのお仕事もさせていただいていますが、現状は1日の時間の7割が主婦業。今朝も子供達に怒鳴ってしまって、声がガラガラです。芸能の仕事をさせていただいていますが、普段の私はノーメークにシャツにチノパンと、華やかさのカケラもありません。40代から50代がメインの読者の美ST世代は、まさに私の世代。この世代は仕事も家庭もお忙しい方が多いですよね。エール?そんなこと言えません(笑)。あえて言わせていただけるなら「皆さん、そのままで良い!」ということ。皆さんそれぞれのやり方でベストを模索しているはずなんです。日々うまくコントロールできないことや、辛いこと、体力が続かないことってたくさんありますよね。私なんて、子供が私よりパパに懐いただけで泣いたりすることも。洗濯機の前で家族に気づかれないように泣くんですけどね(笑)。ストレスや悩みは、あげていけばキリがありません。
とはいえ、若い頃と比べると随分生き方がざっくばらんになれたと思います。若い頃って、訳もわからず常に不安でした。10代からモデルとしてまずこのお仕事を始めましたが、芸能は人様からお声をかけていただいて初めて成立する世界。当時は今よりずっと自信がないし、「声をかけられなくなったらどうしよう?」って。元々暗い性格ではないと思いますが、人の顔色をうかがって人付き合いがうまくできなかったこともあります。笑い声がすると、「私、笑われてる!?」と被害妄想に陥ったり。よく「いい人だね」と言われたものですが、それだけ人に対して当たり障りがなかったということかもしれません。人がどうと言うより、自分に対して「これでいいのかな?」と神経質になっていたんだと思います。でも今はそんな自分軸から完全に子供軸になっているので、自分のことは二の次三の次(笑)。日々自分以外のことが忙しくて悩んでいる暇がないし、悩むくらいなら寝ていたい。だからそういった意味では、今のほうがよっぽど精神衛生上は楽になったなと思います。家庭とは修行の場所であり、どこよりも心が落ち着く、帰る場所でもあります。日々色々あるけれど、常に感謝の気持ちを根底に持っていたいですね。
“お人形”だった私を俳優へと導いてくれたのは、紛れもなく舞台出演です
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仕事上でのターニングポイントは、やはり朝の連続テレビ小説『こころ』での主演でした。当時は演技をしたことなんてない完全なペーペーで、もはや現場で迷子状態。セリフをとにかく覚えて、指定されたところまで歩いて顔を上げて、みたいな。演出家の方の指示通りに動くお人形のようでした。とにかく目の前のことをこなすのに必死で、セリフと所作の連動も全く上手にできなくて。朝ドラの後はありがたいことにたくさんの方々に私のことを知っていただけて、様々なドラマや映画のオファーを頂戴しましたが、力不足ばかりが目立って満足に応えられず完全に暗雲期に。
徐々に映像のお仕事が減っていって気持ちまで沈み込みそうになった時、声をかけていただいたのが舞台でした。舞台って本番も合わせると大体2カ月くらいはずっと演出家や俳優と一緒です。その期間でのトレーニングを経て、ようやく私は俳優としてのスタート地点に立てたと改めて思います。役柄のイメージを掴んで、相手役の方との間合いや空気を考え、感情を載せてセリフを述べることを何度も繰り返し、少しずつ自分をやっていることに意義を見出せたというか。自信になりましたね。それに今は当時よりも人生経験を重ねていますし、私自身の持ち味も深まっているはず。子供達がもっと大きくなったら、是非また舞台に立ちたいと思っています。やりたい役はまだ全然できていないので、今はしっかり意欲を溜め込んでいます。やりたい役ですか?そうですねぇ…大人の恋愛、でしょうか(笑)。
《衣装クレジット》
ニット¥23,000スカート¥40,000(ともにバナナ・リパブリック)ピアス¥3,240リング¥11,000(ともにアビステ)
【ショップリスト】
アビステ 03-3401-7124
バナナ・リパブリック [email protected]
撮影/川谷昌平 ヘア・メイク/田中康世(cheek one) スタイリスト/中村智香子 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希
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