菊川怜さん(46)「芸能界を辞めたいと思った事は一度もない」——小倉智昭さんから学んだ事とは

東大工学部出身でまさしく「才色兼備」な菊川怜さんは、2男1女の3児の母。ハッと惹き込まれるような強い眼差し、落ち着いた語り口調で、凛とした美しさが感じられる菊川さん。
子育てとは違った楽しみがある仕事に励むことで、エネルギーが湧き出てくるという菊川さんは、芸能界を辞めたいと思ったことは一度もないそう。先日お亡くなりになった小倉智昭さんとの、心温まるお話も必見です。(第1回/全3回)

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菊川怜さんprofile

1978年生まれ。埼玉県出身。東京大学工学部建築学科卒業。東大在学中にスカウトされ、モデルデビュー。その後、女性タレントの登竜門と言われた東レキャンペーンガールに選ばれ、ドラマや映画、バラエティ番組、教養番組など幅広く出演。2012年から5年間、初の帯番組レギュラーとなる『情報プレゼンターとくダネ!』(フジテレビ)のサブ司会を務める。2017年に結婚を公表し、2男1女の3児の母に。昨年、離婚を公表。

子どもがいなかった時よりお仕事のありがたみがすごい。仕事でエネルギーが湧き出る

STORY編集部(以下同)ーー3人のお子さんを育てながらお仕事も邁進されていらっしゃいます。どの様にやりくりされていらっしゃいますか?

今は、全部の時間を仕事に使えるわけではないじゃないですか。調整できるお仕事は、子どもが学校に行っている10時〜15時ぐらいまでの間にさせていただいたり、夜の時間帯は母や妹にお願いしたり、何とかやりくりしながらやっています。母と妹が近くにいて助けてもらえるのは、とてもありがたいです。先日も、息子の誕生日会に姪っ子たちに来てもらったり、一緒にご飯を食べに行ったり公園で遊んだり。
子育てが始まってから、何だか脳みそがシャッフルされているような…これまでの自分の使い方じゃない、脳みその使い方をしている気がします。もう日々訓練、修行している感じ。常に子どもと自分のスケジュールを見比べて、失敗がないように気を張って…そういう事に多くの時間を使って何とかやりくりしています。

依頼があった仕事は全部やりたい、という気持ちですね。前みたいに生放送や帯番組の依頼が来たとしたら…現実にできるかどうかは難しいですが、できるものならやりたい!
子どもがいなかった時より、今のほうがお仕事のありがたみがすごいです。子育てとは違う時間が過ごせるので、切り替えられるんです。ずっと子育てだけだと「わあぁ」っていっぱいいっぱいになっちゃう時もあるんですが、仕事が充実していると楽しいし、元気なママで家に戻っていける。
子育てとはまた違った楽しさがあるので、仕事があることでエネルギーが湧き出てくるタイプです。私が出演したクイズ番組を見た子どもたちに「なんでママ1問しか解けなかったの?」とか言われちゃう事もあります(笑)。

小倉智昭さんはお父さんのような、恋人…とは言わないけれど、芸能界で唯一何でも話せた人

ーーフジテレビ朝の情報番組「情報プレゼンターとくダネ!」で5年間共演された小倉智昭さんが、先日お亡くなりになられました。菊川さんにとって小倉さんはどの様な存在でしたか?

とくダネ!で、5年3ヵ月ぐらい毎日一緒にいて、本当に色々な事を学ばせてもらいました。
小倉さんは本当に偉大な司会者で、そのプロ意識や仕事に対する姿勢など学ぶ事がたくさんありました。プライベートでもすごく親身になって色々な相談に乗って下さって。芸能界で数少ない…というか、唯一、何でも話せた人でした。お父さんみたいでもあり、恋人とは言わないですけど、仕事のパートナーだったので。まだお亡くなりになったばかりなので、すごくよく思い出すんです。夢に出てきたり、目覚めると小倉さんの顔が思い浮かんだりして、まだ実感が湧かない。11月にも電話で話したばかりで、本当は体調が悪かったのかもしれませんが、声の感じではまだまだお元気で、むしろ私のことを心配してくれるばかりでした。もう会えないのはすごく悲しいし、とくダネ!の仲間もみんなそう思っていると思います。それだけ存在が大きかったので。しばらく悲しい気持ちはずっと続くだろうし、どう折り合いをつけていこうかな…という感じです。

ーーお仕事の面だけじゃなくて、プライベートの交流もあったんですね

よく電話もしていました。10月に小倉さんのお家に1人で遊びに行って。小倉さんのコレクションとか色々見せてもらいました。朝お邪魔して夕方くらいまで、だいぶ長い時間ずっとお話ししていました。5年間共演して、少しずつ仲良くというか、信頼関係を築いていけました。お仕事で出会った方の全員とそうなるわけではないと思うし、最初から上手くいったわけでもなくて。でも体調が悪い時や、落ち込んでいる時、色々ある日々の中で、どんな時でも毎日顔を合わせていると、やっぱりチームというか、家族のようになっていきましたね。今の気持ちとしては、みんなに小倉さんの関わってきた偉大な仕事を思い出してもらえたら嬉しいなって。インタビューとかも何十年もやられていた方なので、仕事に対するエネルギーがすごかった。本もたくさん読んでいて、生放送が終わるとフジテレビにある本屋さんにいつも寄って本を買っていらっしゃいました。お好きだったからっていうのもあると思いますけど、アーティストさんのライブ、コンサート、音楽にも詳しくて、たくさん紹介されていたし、すごく精力的でしたね。小倉さんの知識の深さやコメント力からも学びがありました。実は小倉さん、吃音があったんですよ。でも仕事のスイッチが入ると全く出なくて。

例えば生放送で30秒でコメントを求められると、無駄な言葉もないし、的確に言いたいこと・伝えたいことをピッタリ時間内に合わせてきて。もう芸術だなと。目指したいし、そういう理想像を与えてくれた事に感謝しています。1人で帯番組を長い間メインで張るって、すごく大変で、どこか孤独だったと思うんです。もちろんスタッフもいて、みんなとチームでやるんですが、何十年も引っ張っていくって本当にすごい事。

生放送のハラハラドキドキ感が結構好き。アドレナリンが出ます!

ーー今後どのようなお仕事をしたいかなど、目標はありますか?

なんでもやりたいですけどね。女優の仕事はなかなかできていなかったのですが、この間、奇跡的にスケジュールが合い、久しぶりに映画をやって。映画やドラマで芝居をたくさんやっていた頃と違って、年齢も重ねたし、子育てとか色々経験した今なら、また違った角度で台本を読めるかなと思うのでまたやりたいですね。

あと情報番組もすごく楽しい。生放送のハラハラドキドキ感が結構好きで。とくダネ!をやっていた頃も、ゲストやコメンテーター、司会者がいて、限られた時間の中でみんな喋りたいことがあるから、タイミングを常に見計らって切り込んでいく感じなんです。その緊張感がすごく楽しくて。「あの時これ言えばよかったな」とか失敗もあって「じゃあ次はこうしよう」とか試行錯誤が楽しかったです。生放送は『バンキシャ。』(日本テレビ)の時からたくさんさせていただいたので、好きになりました。独特の緊張感にドキドキしますがアドレナリンが出ますね。

芸能界を辞めたいと思ったことは一度もない。でも、何かをゼロから作り上げてみたい気持ちも

ーー芸能界を辞めたいと思ったことはありますか?

苦しいとか、辛いとかはありますけど、仕事を辞めたいと思った事は一度もないです。違う仕事だったら良かったな、とかもなくて、今の仕事が本当に好きですね。
でも、これから何か新しい仕事もやってみたいなっていう気持ちはあります。今、ゼロイチっていうんですか? 色んな新しい事にゼロからチャレンジして、何かを作り出す人がたくさんいて憧れますね。
私は新しいことを切り拓く力が本当になくて…自分で何かをゼロから作り上げたことがないんです。仕事も、全部いただいた状況の中で全力で頑張るってお仕事なので。この歳でもう1回、何かにチャレンジしてみたいし、それがこれから見つかったらいいなっていう気持ちもあります。

衣装協力:デニムシャツ¥35,200デニムパンツ¥27,500(ともにアッパーハイツ/ゲストリスト)パンプス¥16,500(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)パールネックレス¥19,800〈モニス〉ネックレス¥49,500〈アナプノエ〉ペンダント¥33,000〈ミチ ウィルウェイ〉シルバーバングル¥13,750〈エイチアッシュ〉(すべてフォーティーン ショールーム)ゴールドバングル¥220,000(シェルビー/シェルビー 表参道)ダイヤモンドリング¥561,000シルバーゴールドリング¥57,200(ともにプライマル)

SHOPLIST
ゲストリスト 03-6869-6670/ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005/フォーティーン ショールーム 03-5772-1304/シェルビー 表参道 03-6804-6658/プライマル [email protected]

 

撮影/浜村菜月 スタイリスト/栗尾美月 ヘア・メイク/RYO 取材/渡辺景子

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